原虫が原因のトリコモナス症に注意

ヒトに寄生するトリコモナスには、膣トリコモナス、口腔トリコモナス、そして腸トリコモナスの3種類があります。このうち、病害があるのは膣トリコモナスで、ほかの2つは無害です。そもそもトリコモナスとは、肉眼でも見えないような小さな虫です。
今回は、膣トリコモナス症の原因や症状について説明します。

膣トリコモナス症の原因は、トリコモナス原虫に感染することです。オーラルセックスを含むコンドームを使用しない性行為でうつるため、性病の一種であるとされています。
しかし、トリコモナス原虫には長時間水にさらされていても一定の感染力を保持する能力があるため、浴槽や便器、タオルなどから感染するケースもあり、性行為の経験がないかたでも感染する可能性があります。
トリコモナス原虫に感染している場合、男女ともにかゆみや臭いなどの自覚症状が乏しいことが多いです。そのため、知らない間にパートナーや同居している家族へ感染していることがあります。
よって、トリコモナス症と診断されたら、お互いにうつしたりうつされたりするといったピンポン感染を避けるため、症状の出たかただけでなく、パートナーと一緒に検査や治療を受けることが大切です。

膣トリコモナス症では、膣の自浄作用を担っているグリコーゲンがトリコモナス原虫のエサとなってしまうため、膣内で増殖しやすいという特徴があります。膣トリコモナス症を患っても20~50%のかたにしか症状は出ません。
外陰部にかゆみや痛み、ただれが出現し、泡の混じった臭いのきつい黄色いおりものが出てきた場合などでは、膣トリコモナス症が疑われます。
膣トリコモナス症を治療せずに放置すると、炎症が卵管まで進んでしまい、不妊症や早産、あるいは流産を招いてしまう危険性があります。
一方、トリコモナス原虫に感染しても男性は90%以上が無症状です。しかし、まれに尿道炎が起きることがあります。尿道炎では尿道から膿が出たり、排尿時に痛みが出現します。

トリコモナス症の治療方法と再発の危険性

次にトリコモナス症の治療について見ていきましょう。トリコモナス感染症が見つかった場合、その治療では男女ともに抗原虫剤であるフラジールやアスゾールという薬を使用します。この薬は両者ともメトロニダゾールという有効成分が入っています。
治療の必要になった男性は、このような薬を内服することが一般的です。一方で、女性の場合は膣の炎症をおさめるため、膣錠や軟膏の塗布も合わせて行われます。

では、フラジールによる治療を行う場合、どういったことに注意するかお伝えします。フラジールはアルコールと相性が悪く、同時に摂取すると腹部に激しい痛みが出て嘔吐したり、体の一部または全部に赤みが出たりといった、いわば悪酔いの症状が出現します。よって、フラジールの投与期間中は禁酒しましょう。アルコールの他にもフラジールと相性の悪い医薬品があります。治療前から使用している薬があれば、事前に主治医に相談して下さい。
トリコモナス症は治癒する病気ですが、再発してしまうケースもあります。例えば、自己判断により治療を途中でやめてしまい、完全に原虫を死滅させられず再発するケースがあります。

また、本人のみの治療にとどまってしまった場合、トリコモナスに感染しているパートナーとの性交渉で再度感染が成立してしまうことも珍しくはありません。
さらに、膣トリコモナス症を完治させたとしても原虫が子宮頚部や卵管に侵入していたケースでは、再度膣まで戻ってきて再感染することもあると知られています。
トリコモナス症は性病の一つですが、市販の薬はありません。したがって自己解決しようとせずパートナーとともに医療機関で医師の診察を受けて薬を処方してもらいましょう。

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